2018/12/08 01:40

瀬戸内海を見渡す風光明媚な地に、その明るさとは真逆な暗い歴史を伝える施設はあった。

ハンセン病患者を隔離・収容した療養施設「長島愛生園」だ。


入所者たちは、病の苦しみに加え、偏見と差別にも苦しんだ。

資料を展示する歴史館から坂道を少し上ったところにある入所死没者の納骨堂はその証。


考えてほしい。なぜ療養所に納骨堂まであるのか。

その答えはこうだった。


ハンセン病患者が出た家だとがわかれば親族に迷惑がかかる。

それを恐れるあまり、死しても故郷に戻れなかったという。


その納骨堂の重厚そうな扉の前に立ち思った。

この扉 この施設は、彼らにとって「入り口」だったのか「出口」だったのだろうかと。

偏見と差別がまかり通る世間からの…。




ダメぴくアート作品№.0011「涅槃寂静!」(浅井一男作)~そこは入り口なのか出口なのか~